めっき加工の表面処理技術は、新たな材料や手法が登場し日々進化を遂げています。そんな中で品質を維持するにはめっき液の濃度管理に加え、膜厚や表面解析を最適化することが重要です。オザワ科学ではめっきに役立つ各種の分析装置や表面解析装置を取り揃えております。今回、日立ハイテク様と日立ハイテクサイエンス様にご協力頂き、代表的な装置とアプリケーションを紹介いたします。
① めっき液の濃度管理
【内容】 めっき液の濃度管理をする為に使用する分析装置やアプリケーションを紹介します。それ以外にも排水分析の法改正情報など役立つ情報をお届けします。
【対象製品】 分光光度計/自動滴定装置/原子吸光光度計/ICP発光分光光度計
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1.分光光度計

分光光度計:日立ハイテクサイエンス
分光光度計は、特定の物質が含まれた溶液の濃度を光の吸収から測定する装置です。光源から発せられた光を特定の波長に分け、試料に透過させ、吸収した光の量から溶液中の物質の濃度を計算します。めっき液中の有効成分や不純物成分の定量分析に使用し、分析結果をもとに添加物などの液調整に使用されています。
令和4年4月より、環境基本法の法改正があり、クロム(VI)の排水基準値が、0.05㎎/Lから0.02㎎/Lに改正されました。オザワ科学では、光路長50㎜セル対応オートシッパ(特注)とオートサンプラーを組み合わせることで省人化の提案をしております。
2.自動滴定装置

自動滴定装置:HIRANUMA
滴定とは、ある溶液に対して他の溶液を滴下し、化学反応が完了する終点を見つけることで、溶液中の特定の物質の量を測定する手法です。手分析では滴下速度を一定にすることが難しく、終点を見つける場合に個人差が生じる恐れがあります。自動滴定装置では個人差を無くし自動化することで終点を正確に測定することが可能です。電極と滴定液を交換するだけで多様なめっき液に対応することができます。
3.原子吸光光度計

偏光ゼーマン原子吸光光度計 : 日立ハイテクサイエンス
原子吸光光度計は、液体試料に含まれる無機元素の濃度を測定する装置です。特定波長の光を吸収する元素の性質を利用しており、めっき液中のクロム濃度を測定したり、鉛やカドミウムなどの不純物や有害物質の測定で使用されています。2023年9月に新たなラインナップとして、連続測定(ラピッドシーケンシャル測定)を可能にしたフレーム機が追加され、測定時間の短縮が可能になりました。
4.ICP発光分光分析装置装置

高分解能ICP発光分光分析装置 : 日立ハイテクサイエンス
ICP発光分光分析装置は、誘導結合プラズマ(ICP)に液体試料を霧化して導入すると、プラズマ内部で熱エネルギーにより励起され発光します。これを分光器で元素固有のスペクトルに分け、その強度により試料に含まれる元素の濃度を測定します。複数の元素の濃度を同時に測定できることが特長です。
めっき液の濃度管理セミナー申込みはこち
② めっき処理後の膜厚/表面解析
【内容】 めっき処理後の膜厚や表面解析をする為に使用する分析装置やアプリケーションを紹介します。
【対象製品】 蛍光X線膜厚計/電子顕微鏡/イオンミリング装置/走査型プローブ顕微鏡/ナノ3D光干渉計測システム
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5.蛍光X線膜厚計

蛍光X線膜厚計:日立ハイテクサイエンス
蛍光X線膜厚計は、試料表面にX線を照射すると蛍光X線が発生し放出されます。その蛍光X線の強度を検出し膜厚を測定する装置です。めっき層の膜厚を非破壊で測定します。めっきの膜厚は、外観から判別することが困難なため、品質管理を目的として使用されています。
FT160による無電解Ni/Auめっき(ENIG)の膜厚及びP濃度の同時定量
6.電子顕微鏡/イオンミリング装置

走査型電子顕微鏡/イオンミリング装置:日立ハイテク
電子顕微鏡は、試料表面に電子線を照射して跳ね返ってきた電子を検出して観察する装置です。めっきの表面や断面の微細な構造観察に使用します。光学顕微鏡とは違い高倍率で試料を観察できる点が特長です。元素分析装置(EDS)を搭載すると、試料表面の元素分析が可能で、欠陥や異物分析が行えます。また、前処理でイオンミリング装置を使用することで、結晶粒界や金属組織を明瞭に観察することが可能です。
鉛入りはんだの間欠平面加工
7.走査型プローブ顕微鏡

走査型プローブ顕微鏡:日立ハイテク
走査型プローブ顕微鏡は、微小な針で試料をなぞりながら、形状や性質を観察する装置です。めっき表面の凹凸形状をナノレベルの数値として正確に測定することができ、摩擦、粘弾性、磁気、表面電位など様々な情報を画像化することができます。
Cu基板上のNiAuめっき腐食部位のSÆMic.による電流分布と元素分布の相関分析
8.ナノ3D光干渉計測システム

ナノ3D光干渉計測システム:日立ハイテク
ナノ3D光干渉計測システムは、白色光源から照射された光を2つに分け、参照面と試料表面に照射し、反射された光をカメラに結像します。試料表面の凹凸によって生じる光路差で得た干渉縞の情報を高さ情報に変換し、3次元形状を作成する装置です。めっき表面の粗さを定量化するには高い垂直分解能と広い領域を高速で行え、3次元形状の違いを数値化するISOパラメータ機能を有している最適な装置となります。
ブラスト処理表面のISOパラメータによる3次元形状の定量解析
お問い合わせ
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おといあわせ処理後の観察セミナー申込はこち