科学機器製品を取り扱うオザワ科学では、CSR活動の一環として地域社会に貢献する取組みを行っています。今回は、静岡科学館る・く・るで行った卓上顕微鏡のイベントレポートをお届けします。
イベントでは、当社の社員とメーカー担当者が講師となり、参加者の皆様に電子顕微鏡の使い方について実演を交えて説明しました。前半では電子顕微鏡の使い方を説明し、後半は実際に電子顕微鏡を操作して頂きました。皆様にミクロの世界を体験して頂くことで、科学に興味を持って頂くきっかけになるよう取り組みました。
イベント概要
タイトル:「ミクロの世界へようこそ!身近なモノを電子顕微鏡でのぞいてみよう!」
日付 :2023年12月17日(日)13:30~15:30(受付時間)
開催場所:静岡科学館る・く・る 8階実験ルーム
対象 :静岡科学館る・く・るの来館者
講師 :オザワ科学 技術本部 ビフォアーセールス課 椙下、日立ハイテク 寺田様
参加費 :無料
1.静岡科学館る・く・る
静岡科学館る・く・るは「みる」「きく」「さわる」をキーワードに、発見する喜びと創造する楽しさにあふれる科学館です。キーワードの語尾をつなぎ合わせると「る・く・る」になります。来館者が自ら体験することを通して身近な科学に親しみ、科学への関心を高める場を提供することが重視されています。

© City of Shizuoka and others.
立地は、JR静岡駅 南口から徒歩1分でアクセス抜群です。
駅前エスパティオビルの中(8-10階)にありますので、お近くにお寄りの際はお立ち寄りください。
2.イベントの様子
る・く・るでは定期的にイベント「る・く・る×ラボ」が開催されており、体験を通して企業などが持つ技術を紹介しています。今回は、身近なものを電子顕微鏡で拡大しミクロの世界を体験して頂きました。
おそうじに使うスポンジの選び方は?
「ウレタンスポンジ」と「メラミンスポンジ」を電子顕微鏡で観察しました。
ウレタンスポンジは、洗剤の泡立ちが良い為、一般的に食器や表面の汚れを落とすのに適しています。
一方、メラミンスポンジは高温で発砲させている為、きめが非常に細かく、ウレタンスポンジが入り込めないすき間に入り込んで汚れを掻き出してくれます。ただ、ウレタンスポンジと比べると表面が硬く傷を付けてしまうことがある点に注意が必要です。メラミンスポンジを使うときは目立たないところを擦ってみて確認しておくと良いでしょう。
また、メラミンスポンジは、微細な構造を持っている為、洗剤がなくてもこびりついた汚れを効果的に落とすことができるのが特徴です。両者をミクロな世界で観察し、素材や目の細かさの違いを実際に体感しました。
普段はスポンジのことってあまり深く考えていないかもしれませんが、拡大してみると大きな違いがあることが良く分かりますね。
「はんだ」ってどんな金属なんだろう?
プリント基板に使われる「はんだ」を観察しました。
はんだは主成分がスズと鉛です。このはんだを熱で溶かして、プリント基板に電子部品の固定や金属同士の接合に使用します。この工程をはんだ付けと呼んでいます。
このはんだには鉛が含まれており、鉛は環境への影響や健康リスクが懸念されるため、最近では鉛をほとんど含まない「鉛フリーはんだ」が使われることが増えています。電子顕微鏡では金属組成の違いが白黒の濃さに表れる為、スズと鉛の違いを観察しました。電子顕微鏡で拡大していくとスズと鉛が均等に混ざり合っていることが分かります。
このように身近なものを観察し特性を知ることで、科学をより身近に感じてもらうきっかけになったのではないでしょうか。
参加者の声
「テレビでよく見る電子顕微鏡を目の前で見れてうれしかった。」
「知らない世界を子供に見せられて良い経験になりました。」
「小学生の頃、理科室に卓上顕微鏡があったお陰で子供のころから理科に興味を持ちました。」
初めて電子顕微鏡に触れる方が多い中、ある小学生の男の子は一度使い方を見ただけで自ら操作して積極的に観察していました。
改めてお子様の好奇心の高さと吸収の早さに驚かされました。
3.ミクロな世界を体験できる電子顕微鏡
電子顕微鏡は、通常の光学顕微鏡よりも小さなものを観察することができる顕微鏡です。近年は小型化が進み、卓上に載せられる製品がリリースされています。サイズはコンパクトになっても高解像度で観察できるため、近年注目されている機器の一つです。
卓上顕微鏡 Miniscope ®

日立ハイテク:卓上顕微鏡 Miniscope ®TM4000Ⅱ
イベントで使用した電子顕微鏡は、日立ハイテク 卓上顕微鏡 Miniscope ®TM4000Ⅱです。卓上顕微鏡は「誰でも使える電子顕微鏡」をコンセプトに2005年の発売開始以来、簡単操作で好評を博し当社でも人気商品となっています。
オザワ科学のビフォアーセールス課(BS課)では、この卓上顕微鏡をお客様の元に持ち込みデモンストレーションが出来る事を強みにしています。その為、普段は東海エリアを中心にセールスエンジニアとして飛び回っています。法人のお客様で卓上顕微鏡を購入検討されることがありましたら、お問い合わせください。
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4.最後に
イベントを通じて、多くの参加者の方に卓上顕微鏡を体験して頂き、科学を身近に感じて頂きました。
お子様の「理科離れ」が叫ばれて久しい中、科学の進歩が加速している現代社会において、科学の基礎知識や理解がますます重要になっています。オザワ科学では、社会全体の科学への関心を高めることで、地域社会の皆様へ貢献できるよう取り組んで参ります。