Share

近年、研究開発を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。技術革新のスピードは加速し、競争は激化の一途を辿っています。限られたリソースの中で、いかに効率的に研究開発を進めるかが、企業の競争力を左右する重要な要素と言えるでしょう。
このような状況下で、多くの企業が直面する課題が、研究開発に必要な機器の選定と導入です。高額な機器の購入は負担となるだけでなく、急速に進化する技術に対応するために、常に最新の機器を維持することも容易ではありません。

オザワ科学は創業以来、科学機器の総合商社として、お客様の研究開発を支援してきました。そして今、お客様の多様なニーズにお応えするために、従来の機器販売に加え、受託分析・レンタル・リースといったサービスも強化しています。
これらのサービスは、お客様の研究開発を加速させ、競争力を高めるための選択肢となります。本稿では、それぞれのメリットと活用例をご紹介します。

Index 目次

    1.科学機器導入における多様な選択肢。受託分析・レンタル・リースの正しい考え方

    研究開発の現場では、高度な技術とそれを支える科学機器や設備が求められます。しかし、高額な機器の購入は、予算や維持管理の面で負担となる可能性も。さらに、機器の選定、導入、メンテナンス、技術的なサポートなど、機器にまつわる業務は多くの時間とリソースが必要となることでしょう。これらの業務をアウトソーシングすることで、本来注力すべきコア業務に集中できるというメリットが生まれます。

    オザワ科学は、企業の研究開発を支援するため、購入だけでなく、受託分析・レンタル・リースといった多様な選択肢を提供しています。最適な方法を選択することで、効率的かつ効果的な研究開発を実現できるはずです。

    科学機器導入の現状

    技術革新が加速する現代において、研究開発に求められるスピードと精度はますます高まっています。企業は、限られた予算と時間の中で、最適な機器を導入し、競争力を維持する必要があります。

    しかし、高額な機器の購入は、陳腐化のリスクや維持管理費用が負担になるケースもあります。また、高度な専門知識を持つ人員の確保も容易ではありません。

    受託分析・レンタル・リースとは

    このような課題を解決するため、受託分析・レンタル・リースといったサービスをうまく活用することをおすすめしています。受託分析は、専門機関に分析や試験を依頼するサービス。レンタルは、必要な機器を必要な期間だけ借りるサービス、リースは一定期間機器の使用権を借りる契約です。

    これらを活用することで、初期投資を抑えつつ、最新の機器と専門知識を組み合わせながら効率的な研究開発を実現できます。

    ・受託分析
    専門機関に分析や試験を依頼するサービスです。自社で設備を持たずに高度な分析ができます。
    ・レンタル
    短期間(数日〜数ヶ月)の機器を借用するサービスです。レンタル会社が所有する機器を柔軟に利用・返却できます。
    ・リース
    中長期(数か月~1年以上)の機器の使用権を借りる契約です。リース会社への定額払いで最新機器を導入できます。

    2.受託分析・レンタル・リース。それぞれの特徴と適切な活用方法

    高額な機器の購入以外にも、研究開発のニーズに合わせた機器導入方法を選択することが重要。ここでは、受託分析、レンタル、リースのそれぞれの特徴と、適切な活用方法について詳しく解説します。

    受託分析:専門性の高い分析や特殊な試験への対応

    専門知識や特殊な装置を必要とする分析や試験を、外部機関に委託するサービスが受託分析です。専門機関の高度な知識と設備を活用することで、自社では対応が難しい分析や試験を正確に実施できます。

    ●社内のリソース不足を解消
    科学機器は、使用時の前処理や使用後のデータ考察が欠かせません。そのため、専門スキルを持ったオペレーターの育成が重要です。そういったオペレーターを育成・確保する余裕がない、あるいは特殊な機器を導入・維持する予算がない場合でも、確実な分析結果を得られ、費用も経費で計上ができます。

    ●技術革新のスピードに対応
    常に高度な技術と機器を用いた分析が可能になるため、変化の激しい研究開発環境にも柔軟に対応できます。

    ●確実な結果取得
    明確なプロセスで試験が実施され、専門家による確実な結果報告が得られるため、安心感・信頼感があります。細かな調査をアウトソーシングすることで、担当者はより重要なコア業務に集中できます。

    一方で、費用、機密情報の取り扱い、自社での技術蓄積および研究者の育成ができないといった点が懸念材料となる場合も。オザワ科学では、お客様のニーズに合った専門機関を選定し、スムーズな試験実施をサポートしています。

    レンタル:短期利用や緊急時の対応に最適

    レンタルは、短期間必要な機器を借り受けるサービスです。数日から数ヶ月といった短期間の利用に適しており、プロジェクトの期間や予算に合わせて柔軟に機器を導入できます。

    ●初期投資を抑える
    高額な機器を固定資産として購入することなく、経費で必要な機器を利用できるため、初期投資を抑え、キャッシュフローの見通しが立てやすくなります。

    ●機器購入前に試用
    購入前に機器を試用することで、実際の性能や使い勝手を確認できます。また、空きがあればWebから申込できる会社が多く、利便性もあります。

    ●故障時や校正時の代替機として
    所有する機器の予期せぬ故障といった緊急時や、定期的な所有機器の校正時にも、レンタルを利用することで迅速に代替機を確保し、研究開発の中断を防ぎます。

    長期利用の場合のコスト高、機器の種類の制約といったデメリットも存在しますが、短期的なニーズや緊急時の対応にはメリットの多い選択肢です。オザワ科学は、レンタル会社とともにお客様のニーズに最適な機器選定を支援します。

    リース:長期的な機器利用と予算管理の両立

    リースはリース会社が機器の所有者となり、中長期的に機器を使用する権利を借り受ける契約です。高額な初期投資を抑えながら最新機器を導入し、計画的な予算管理を可能にします。

    ●常に最新機器を利用
    定期的な機器更新により、常に最新の技術を活用し、研究開発の競争力を維持できます。

    ●予算の平準化
    経費として定額のリース料を支払うことで、予算の平準化を図り、財務計画を立てやすくなります。またリース料は月々固定のため、金利変動の影響を受けないこともメリットです。

    ●中長期的な研究開発をサポート
    契約満了時はリース会社への返却も可能なため、中長期的な研究プロジェクトに最適です。また、契約満了時に機器をそのまま買い取り、使用し続けることも可能です。契約期間、カスタマイズの制限、購入と比較した際のコストバランスなどの検討事項があるため、導入目的や期間を明確にする必要があります。購入時との違いは、リース会社との契約条項を事前にご確認ください。

    状況に応じた選択のポイント

    研究開発を取り巻く環境や、研究内容、予算は企業によってさまざまです。それぞれの状況に応じて、最適な機器導入方法を選択することが、研究開発の効率化とコスト最適化につながります。研究規模、研究目的、研究期間といった要素を考慮し、受託分析、レンタル、リース、購入の中から最適な方法を選択しましょう。

    ここまでご説明してきた機器導入方法別の違いについて、表にまとめました。

    ※本資料の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、財務や税制の優遇を保証するものではありません。
    具体的な対応については、個別の状況に応じて専門家または専門部署へご相談の上でご判断下さい。

    3.科学機器導入の事例から学ぶ。効果的な活用方法

    機器導入の成功事例を学ぶことで、自社に合った方法を選択するヒントを得ることができます。ここでは、受託分析・レンタル・リースを効果的に活用した事例をご紹介します。

    事例1:校正期間中の代替機としてレンタルを活用

    定期的な校正が必要な機器をお持ちのユーザーにおいては、通常、代替機や予備機を保有することで校正期間中のダウンタイムを防ぐよう対策しています

    しかし、代替機や予備機も定期的なメンテナンスが必要となり、管理の手間やコストの増加につながります。A社ではパーティクルカウンター、風速計などの校正期間中にレンタルサービスを利用することで、代替機や予備機の維持管理コストを削減されました。

    事例2:複数回のデモ希望に対応するためにレンタルを活用

    高額な機器の導入を検討する際には、複数回のデモを実施して性能をじっくり評価したいというニーズがあります。しかし、複数回のデモはメーカー側で受けていただけないケースも多く、現実には難しいことが考えられます。

    オザワ科学では卓上SEMが主力製品の一つであり、自社でデモ機を所有して持込対応も行っています。自社の技術スタッフにより、有償レンタルで複数回のデモも対応可能です。こちらを利用いただいたB社は、実際に機器を使用する環境でじっくりと性能を評価し、卓上SEM導入の判断材料にされました。

    事例3:受託分析から購入へ

    高額な機器の導入は、企業にとって大きな投資となります。導入にあたっては、機器の性能や費用対効果を慎重に検討する必要があります。

    C社では、X線CT装置の導入を検討するにあたり、まず複数回の受託分析を実施しました。専門機関による高精度な分析結果を得て、機器の性能と自社への適合性を十分に確認できたことで、安心して購入へと進むことができました。

    事例4:受託分析から最新機種購入へ

    粒度分布計の受託分析を複数回実施していたD社では、検査・分析業務の効率化を検討していました。オザワ科学は、受託分析を通して得られたお客様のニーズを把握し、最新機種の粒度分布計を提案。最新の技術を搭載した新機種は、お客様の研究イメージに合致し、スムーズな最新機種購入へとつながりました。

    事例5:予期せぬ機器故障にリースで対応

    E社では、研究開発に不可欠な精密機器の突然の故障という事態に直面しました。しかし、修理費用や代替機の購入費用が予算を超えていたため、研究開発活動の継続が危ぶまれました。そこで、オザワ科学はリース契約による代替機の導入を提案。迅速に代替機を確保できたことで、ダウンタイムを最小限に抑え、スムーズな事業継続を実現しました。

    4.長期的な視点で科学機器導入を進め、コア業務に集中を

    medicine science factory staff worker check quality products sterilize in autoclave tank in check list.

    科学機器の導入は、短期的な視点だけでなく、長期的な視点で検討することが重要です。導入時のコストだけでなく、運用コスト、廃棄コスト、そして技術の進歩など、将来を見据えた導入戦略が欠かせません。

    機器の使用頻度と費用対効果

    機器の使用頻度と費用対効果を分析することは、最適な導入方法を選択する上で重要な要素となります。使用頻度が低い機器を購入した場合、機器の稼働率が低くなり、計画通りの費用対効果を実現できないことがあります。

    レンタルやリースを活用することで、使用頻度に応じた柔軟な機器導入が可能になり、コスト効率を高められます。

    廃棄コストの考慮

    機器の導入時には、購入後の廃棄コストについても考慮する必要があります。大型機器や特殊な機器の場合、廃棄には相当な費用がかかります。レンタルやリースであれば、契約期間満了後に機器を返却できるため、廃棄コストの問題を解消できます。

    技術の進歩に対応する柔軟な導入戦略

    技術の進歩は非常に速く、最新の機器が陳腐化してしまう可能性があります。求められる高度な技術に対応するためには、柔軟な導入戦略が必要です。レンタルやリースは、必要な機器を必要な期間だけ利用できるため、技術の進歩に対応しやすいというメリットがあります。また、購入する場合でも、将来の技術動向を予測し、アップグレードや買い替えを視野に入れた計画を立てることが重要です。

    科学機器の導入は、企業の研究開発にとって重要な意思決定です。短期的なコストだけでなく、長期的な視点で費用対効果、イニシャル・ランニングコスト、技術の進歩などを考慮し、導入方法を選択することが大切です。

    そして、忘れてはならないのが、機器導入にまつわる業務を外部委託することで、本来のコア業務に集中できるという点です。機器の選定、導入、メンテナンス、さらには技術的なサポートまで、プロフェッショナルに任せることで、貴重な時間とリソースを研究開発そのものに集中させることができます。

    オザワ科学は、お客様の状況に合わせた機器導入プランをご提案し、研究開発の成功をサポートします。コア業務に集中し、生産性を最大化するためにも、ぜひご相談ください。

    CATEGORY

    TAG

    SEMINAR