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業界初・熱電3物性の同時測定装置開発

【オリジナル製品】OZMA-1本体.jpg
産学官連携で開発した熱電特性評価装置「OZMA-1」。
熱電3物性を1台の装置で測定できる
【技術情報 写真2】OZMA-1測定用電極 (1).jpg
熱電特性評価装置「OZMA-1」の測定用電極
 



 当社は、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科、国立研究開発法人産業技術総合研究所 中部センター 極限機能材料研究部門との産学官連携により、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械などの熱電変換材料開発に必要な熱電3物性の測定を同時にできる装置「OZMA-1」(特許出願中)を開発、7月に発売します。熱電3物性の測定は試料や熱の伝搬方向が異なり、これまで複数の装置が用いられてきました。1つの試料で同時測定できることで、熱電変換材料の開発時間短縮をはじめ、未利用熱を電気に変換する熱電変換技術によってクリーンエネルギー開発などを加速することになります。価格は、熱電3物性の計測装置をそろえた場合に比べ、大幅なコストダウンが実現できます。

 熱電3物性とは、電気の通しにくさを表す物性値の「電気抵抗率」、温度差1度あたりで発生する熱起電力の「ゼーベック係数」、温度分布の変わりやすさに関する物性値の「熱拡散率」の3つです。測定原理の制約から、電気抵抗率とゼーベック係数は面内方向、熱拡散率は厚さ方向しか測定できず、物性によって測定方向が異なるという課題がありました。当社など3者は接触式マルチセンシングプローブ(センサー)と計測手法を新たに構築し、1台で1つの試料を用い、同じ方向、同じ環境下で室温付近~900℃の温度帯域の熱電3物性を測定することを可能にしました。これにより熱電変換材料の開発は、性能評価が迅速化され、熱電変換技術の高度化に貢献できます。とくに排熱を電気に変え、蓄電するクリーンエネルギーシステムは2030年をゴールとするSDGs(持続可能な開発目標)の主要分野であり、高機能化、高効率化、低コスト化が期待されます。

 同装置の開発は、中小企業庁から2016年度の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティングインダストリー事業)の認定を受け、総事業費のうち3分の2の補助を受けて進めてきました。名古屋大大学院工学研究科の長野方星教授が熱拡散率計測における周期加熱理論と測定・解析条件に関する学術的支援を、産総研 中部センター極限機能材料研究部門の申ウソク 副研究部門長が熱電物性計測に不可欠な試料片面を周期加熱するヒーター技術と高温環境計測での熱電物性計測精度の向上技術をそれぞれ担当し、オザワ科学が製品化しました。

 装置は加熱炉、制御部筐体パネル、測定用電極および電極保持機構部、データ処理装置(計測プログラム実装)、各種ガス雰囲気機構部、冷却水循環装置、真空排気装置で構成されます。本体の大きさは幅1.1m、奥行き48㎝、高さ1.165m。試料は長さ13~25㎜、幅5㎜程度、厚み1mm以下の薄板状直方体です。2022年6月2~4日に名古屋市・熱田西町の名古屋国際会議場で開かれる「みる・はかる・未来へつなぐ科学機器展」(東海科学機器協会など主催)に出展します。

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